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2026/03/25 10:25

Tinytotroom.のものづくりには、
新しい命を吹き込まれ、まるで物語をまとい直すように、
美しい作品へと生まれ変わっていく気配を感じます。

絵画を閉じ込めるように生まれた「ラビリンス」
「ラビリンスものがたり」は、Tinytotroom.の世界観を象徴するような作品です。
刺繍と装飾によって描かれるその姿は、アクセサリーというより、まるで小さな絵画のよう。

この作品に使われているのは、長いあいだ眠っていた古い生地たち。
ただ古いものを使うのではなく、実際に探しに出向き、素材を選び、丁寧にクリーニングを施し、ようやく使える状態へと整えていく。
その工程を思うと、作品の中には“美しさ”だけでなく、素材がたどってきた時間までも織り込まれているように感じられます。
新しいものには出せない深みを醸し出しています。

そして、この「ラビリンス」に欠かせない存在が、かおりさんによる特注のブロンズの額です。
かおりさんと出会うきっかけにもなったというその額。
Tinytotroom.のために特別に制作されているそうです。
ただ飾るための“枠”ではなく、作品そのものの意味を支える大切な存在。
額の中に閉じ込められているのは装飾だけではなく、人と人との感性の響き合いなのかもしれません。

行き場をなくした糸が、海月になる
もうひとつ、Tinytotroom.の美しさを語るうえで欠かせないのが、「海月 tassel」です。
こちらに使われているのは、行き場をなくしていた美しい彩りの糸たち。
役目を終えたのではなく、ただまだ“次の居場所”に出会えていなかった糸が、
新しいかたちを与えられていきます。

細い糸をひとつひとつ束ね、結び、整え、ミリ単位で糸先をカットしていく。
すべてが手作業で行われるその工程の、積み重ねの先に生まれる姿は、
驚くほど軽やかで、やわらかく、見違えるような美しさをまとっています。

海月のように揺らめき、“次の旅へ”という言葉がとてもよく似合う作品です。


作品の奥に流れる、一つの言葉

「まだ見ぬ私と待ち合わせ」 という言葉です。
15年ほど前、大波小波の中を生きていた際、友人が特別に贈ってくれた言葉だそうです。
そしてその言葉は、今もなお心の奥で生き続け、ものづくりを動かし続けているのだといいます。

今の自分を否定するのではなく、その先にいる「まだ見ぬ私」を信じてみること。
焦って追いかけるのではなく、どこかでそっと待ち合わせをするように、新しい自分と出会っていくこと。

古い生地が、装飾によって新しい景色を得ること。
行き場をなくした糸が、海月のように生まれ変わること。
そして出会いの記憶が、額やパーツというかたちで作品の中に残り続けること。
そのすべてが、「再生」であり、「まだ見ぬ姿への変化」なのかもしれません。